5 行動する
自分を変えようと思ったら、エクササイズ4 で述べたように、想念に逆らって行動するのが解決の早道です。
なぜなら、想念はあなたをだまし、元のパタ — ンに引き戻そうとするのが得意ですから。
想念の言われるまま行動に移していれば、あなたは一向に変わることが出来ません。
あなたのエゴが嫌がることを一つずつ実践していくことです。
あなたがどうしてもしたくないことは、あなたの善悪判断が明確に現れるところですから、最も判りやすい努力目標とも言えます。
あなたが家事を妻に任せっきりの旦那さんなら、家の掃除、家の前の道路の掃除などを率先してやってみてはどうでしょうか?
人前で話すのが苦手な奥さんなら、どんどん井戸端会議の輪の中に飛び込んでいくことです。
とにかく 一歩踏み出し、身体を動かすことです。
以下に例題を挙げてみましよう。
◇苦手な人とうまくやる
人間関係がうまくいかない、というのは、私たちのトラブルの代表選手です。
それが証拠に、さまざまなストレス性の病気を誘発し、
しまいには民族・国家間の戦争まで引き起こしています。
あなたの身近に、顔も見たくないけどどうしても避けられない人がいるとすれば、あなたは幸せ者。想念観察実践の絶好のチャンスですから、放っておく手はありません!
1 相手の立場を理解する
対立のほとんどが相手の立場を顧みない、自己中心の意識から起こります。
お互いがそうですから、一度火が点けば、とことんエスカレートするという悪循環に陥ります。
たとえば上司の待遇に不満があるとします。
それをよくよく掘り下げてみると、会社や社会システムそのものに対する不満や憎悪を、その一個人にぶつけている場合が多いようです。
相手は鏡ですから、嫌った人間からは嫌われるのは当然のことです。
嫌う前に、相手の立場も考えながら、自分が不満に感じていることは本当は何なのか、分析してみましょう。
2 その相手との距離を近付け、自分の想念を観察してみる
ただ接近するだけでよく、別に意思表示をしなくても構いません。
どんな想念が出てくるのか、そして自分の肉体にどんな変化が起きるかも観察してみましょう。
心臓はドキドキするか、みぞおちの辺りにエネルギーが沸騰するか、という具合です。
この時、憎悪や不満の想念が、なぜ出てくるのか、自問自答してみて下さい。
意外な答えが返ってくることもあります。納得出来るまで続けてみましょう。
接近してみたら露骨に不快な顔をされたとか、さらにひどい仕打ちを受けたとか、あなたの望まない反応が返ってきたとしても、根気よく続けましょう。
3 相手に対する肯定的な想念にエネルギ — を集中する
接近してみたら、実際には大したストレスを感じない、と実感できた時点から、相手に対する否定的な想念から肯定的な想念にスイッチしてみます。
「私はあなたを愛している」 「私はあなたを必要としている」 「好きだ」といった想念に、エネルギーを注いでみて下さい。それまでとは逆方向で思いを現実化してみるわけです。
こうやって想念と現実との連関性を探るうちに、「現実には、何も憎んだり、嫌ったりする必要がなかったじゃないか」と自覚できたならば、積極的に挨拶したり、声を掛けるなどしてみましょう。
以上で、たいていの人間関係は改善出来るはずです。
なぜなら、あなた自身の誤解と錯覚が増幅されて不和になっただけ、という場合がほとんどだからです。
「今流れた想念に同意せず、反対の行動を取ってみる」
という方法は想念がまやかし ( 幻) に過ぎないことを実感するいい練習です。
どんどん実践して、身体で覚えて下さい。