自己確認のパスポート マルーン

自己確認のパスポート

目を通してものを見ます。耳を通して音を聞きます。その範囲とても狭く、

事物の姿をそのまんま受け取ることは不可能といえるでしょう。

人間が如何に限定された状態で生きているかということを理解することが

自己確認への第一歩です。

皆さんが信じて疑わない皆さんの中にある絶対的事実とは、皆さんが感じ

ているよりも遥かにその範囲は狭いのです。論理的に考えてみても、皆さ

んの視界は限り無く狭いことは理解されることと思われます。

地球は丸いと皆さんは信じています。しかし本当に皆さんは地球が丸いと

いうことをどのように理解したのでしょう。

皆さんはまだ地球を外から見たことは一度も無いはずなのに、地球は丸い

と信じています。以前地球は平面だと全ての人が信じていました。

そしてその果てを確かめようと、幾人かの冒険者がその果てを確かめる旅

に出ました。しかしとうとうその果ては見つかりませんでした。

そして時代が変り、今地球は丸いということを信じ、地球が平面であると

いうことを論じる人がいれば、その人が笑われることでしょう。

しかしよく考えてみて下さい。誰も外にでて地球が丸いということを理解

した訳ではありません。

フィル厶に映った地球の姿、数学上の計算によって、導き出されたその結

果を信じている訳です。我々は地球が丸いということを否定する気はあり

ません。ただ外にでて確認していない事柄を無闇に信じることに対して、

注意を与えているだけにしか過ぎません。

何故ならば、皆さんの知りえる範囲はとても狭いからなのです。

皆さんの感覚ですと、体内の中で、何がどのように動いているかを皆さん

はキャッチすることは不可能です。

皆さんが信じて疑わないその思考ですら、実にお粗末なものであることは

理解されるはずです。

全てを見渡すことの出来ないその全てを・・・感じることの出来ないこの

肉体の機能から生まれる思考、心、精神、それに付随する諸々の感覚・・・

それが如何に狭い範囲であるかを理解することです。

皆さんはそれに頼りすぎています。冷静な目で事物をご覧なさい。

貴方逹が当てにしているそれらが、如何に頼り甲斐がないかをよく理解し

なさい。

思考を絶対視し、下界の様々な情報を、思考を通し皆さんは生活を送られ

ています。そしてその思考を、皆さんは最髙にパワフルな世界だと信じて

います。しかし皆さんの知りえる世界は実に狭いものです。

いま幸福を感じている貴方のその環境の中で、そのように感じているだけ

なのであって、異なる環境に導かれれば、その幸福は又違った色を映しだ

すかも知れません。皆さんは言葉の世界にウェートを置きすぎています。

人間とは、冷静に考えてみれば判ることばかりなのですが、貴方の語る言

葉の世界が、如何に小さなものであるかを人はなかなか理解出来ないもの

です。

思考、言葉、これは部分であって、全体ではありえません。貴方という肉

体も、いずれ消えてなくなる訳です。それも部分であって、全体にはなり

えません。思考も言葉も部分としてあるのであって、永遠ではありません。

では永遠とは何なのか・・・それは皆さんが部分の限界をよく実感し、そ

の部分を最髙のパワーだと信じて疑わなかった、その愚に気ずき、力尽き、

る度に、永遠が実感できることでしょう。

昨今テレビをにぎわしている宗教団体の問題にしても、あれほど大騒ぎす

る必要があるのか・・・よく考えてみることです。

僅か数千の信者、その中でも実質行動をとっている信者は僅か数十人でし

ょう1億の日本人が僅か数十人の人間たちに振り回されているその姿を

見るにつけ、部屋の中に蝿が飛んで夜も寝れない人間とよく似ていますね。

しかし、なぜこうも皆さんは些細な事柄に無闇に反応し、いたずらな愚に

もつかない事柄に興味を持つのか・・・それは貴方がまだ思考の限界、言

葉の限界、貴方が如何に小さな世界に生きているかということを知らない

からです。

自己限定を知ることが自己確認への第一歩です。

人間は自らの小ささを知るために永遠に帰っていくのです。

冷静になって世界を見渡せば、数千億の軍事費に比べ、僅か数億のお金を

使って軍事ごっこをしている茶版劇ではありませんか。

弱い人たちの集まる組織に対して、過敏反応している皆さんこそ問題があ

ります。それは貴方が、私はそのような被害にはあいたくないと、貴方が

常日頃被害者意識に洗脳されることを強く願っているだけにすぎません。

その願いは必ず成就することでしょう。おめでとう！

地球のこの現実は、どこまでも被害者と加害者のシステ厶によって動いて

います。そして皆さんはそのシステ厶を絶対的な力として信仰しています。

正に被害者加害者の宗教システ厶が、地球の偽わらざる現実の姿であると

いえましょう。

しかしその巨大に見える力のシステ厶も、元は皆さんの思考から生まれた

ものです。そこに気付けば、そしてその思考の狭さに気付けば、皆さんは

そのシステ厶を卒業することが出来るでしょう。

自己確認とは、いま貴方の生きているこの現実を、いつわざる目を持って

はっきりと把握することです。そしてそれがある狭い範囲の思考から生ま

れていることをよく理解することです。

その現実に対する理解力も無く、いたずらな平和を求め、創造を求め、一

体化などは、それこそナンセンスな夢物語りだと言っておきましょう。

皆さんがしっかりと理解しなければならないことは、現実に対する理解力

です。それに皆さんがもし精通したならば、皆さんは現実はいともたやす

く変えていけるものだということを理解されることでしょう。

精神病の子供がいたとします。親としては当然治したいわけです。そして

治ることによって感動を味わうことでしょう。

普通の子供と変らぬ状態になって、親は胸を撫でおろすことでしょう。

そしてその生活に慣れ始めたころ、子供は家に帰ることが少なくなり、夜

遊びに耽ったり、父親の好まぬボーイフレンドを連れてきたり、又、母親

と噛みあわないガールフレンドを連れてきたり、以前精神病だったころ、

この子に彼氏や披女が出きることは不可能だと考えていたのに、いざ元気

になって彼氏や彼女が出来ると、途端に反発が出てくるものです。

その時の感動は、状況が変れば苛立ちを起すものですね。

人間とはそのようなものです。良くなって欲しいというその動機が、数十

年経つと幾つかの問題を作っていくものです。つまり、皆さんの思考は決

して全てを見渡すことは出来ない・・・近視眼ということですね。

想念に振り回されると言ったところで、もともとその程度の力の無い、そ

の程度のお粗末なものに振り固されること自身、まったく馬鹿げた話だと

は思うのですが。

こういう話をいくら聞いて理解したところで、次の瞬間、元のもくあみで

しょう。皆さんはあくまで部分の中に生きているのであって、実にお粗末

な視野の中に生きているのであって、それを本当に実感すれば、貴方は貴

方自身に帰ろうという気持ちは消えていくはずです。そこに統一が起るの

です。これこそ最髙の自己確認です。

貴方が安全だと思っているものをしっかりと吟味なさい。そしてそれが如

何にあやふやで、頼り甲斐がなく、お粗末なものであるかを調べてご覧な

さい。その実感と共に、貴方は知らず知らずのうちに無限に吸収されてい

くことでしよう。

貴方の中のあやふやな世界感をはっきりと見極めなさい。

頼りにしている思考、感情、心、言葉、目に見えるもの、耳に聞こえるも

の、それらが如何にあやふやで力の無いお粗末なものであるかを理解しな

さい。

貴方はそれほど魅力は在りません。貴方は貴方が感じるほど成長もしてい

ません。そしてそのお粗末な貴方に直面し、きびすを返したとき、貴方の

目前に大空がどこからとも無く忍び寄っていることに気付かれる日が来る

ことでしよう。

皆さん力尽きなさい。貴方には何の力も無いことを知りなさい。そうすれ

ば憑物が取れることでしょう。

無限とは何かを知ることではなく、いま現在貴方の知っている世界が如何

に不確かであるかを、そしてあぶなっかしく頼りになら無い世界であるか

を知ることです。これが本当に知るということなのです。

このメッセージを読むことによって、貴方の頭脳にこの言葉がインプット

されることでしょう。そしてそれが貴方の人生を生きる武器になることで

しょう。その剣によって貴方は多くの人を刺すことでしょう。

まずその剣によって、自らの息の根を止めてご覧なさい。

貴方の知っている世界、その剣によって貴方は必ず滅びる日が来るのです。

つまり、飼犬に手を噛まれ貴方が滅ぼされるのは、貴方が不安にかり立

てられるのは、現実に起っている出来事ではなく、貴方の知っている世界

が貴方をそのようにさせているのです。

剣によって立つものは剣によって滅びる・・・思考、證粢、そこから生ま

れた貴方の知っている世界・・・貴方の頭脳にインプットされている世界、

その手に持っている剣を誰よりも早く手から落としなさい。そして貴方自

身の手で貴方を滅ぼしてみなさい。そして貴方は誕生することでしょう。

地球上における最髙のマネーは言葉です。もっと厳密に扱いなさい。

こう言う言葉があるでしょう。只ほど怖いものは無い。また悪銭身につか

ずーー貴方逹の言葉はそのたぐいです。注意深く扱いなさい。

貴方の知っている世界は、この宇宙において何一つの力にもなっていませ

ん。

貴方が死んでも地球は廻っています。鳥は空を飛んでいます。貴方が生き

ても死んでも大勢に影響は与えません。つまり貴方の存在感は必要ないと

いえるでしょう。

生きていまだ生を知らず、 死して生を得る・・・貴方はまったくの役立た

ずであることを知った時、貴方は生の喜びを得ることでしょう。

マルーン