無言の言 未来の到達点
無言の言 クリエ
未来の到達点
* 「君たちが今、一番欲しいものは?」と聞かれたならば、それは一瞬一
瞬を生きる喜び、それであろうと思われる。しかし、現実問題君たちに
とってそれは非常に難しいことであるかもしれない。
では、一瞬一瞬の生きる喜びについて語りたいと思う。
まず、一瞬を喜ぶとはどういう事なのか、それについて考えてみなさい。
君はどう思うかね?
A「たとえばおしっこがシャーと出ることなどは一瞬の喜びだと思います」
*ほかには?
A「わかりません。」
*その喜びと共に生きたいと思うかね?
A「はい」
*この質問の会話の中でとても不可解なのは、答える君が君なりの喜びに
ついての定義をすでに持っているということだ。それは君自身の人生観
でもあるわけだね、違うかね?
A「そうです。」
* それでは既に君は君自身にとっての喜びを手に入れ、それと一つになっ
て生きているということになる。つまりそれは君自身における自己覚醒
を意味してるね。どうだ?
A「そう言われたらそうかなと思います。」
*覚えておいてほしいことは、別に忘れてもいいが、君の人生を創造して
いるのは、君自身であるということ。君は君自身の人生を、まだ君の目
に見えない、耳で聞こえない、不可解な力から影響を受けていると思っ
ているかね? どうかね?
A「不可解な力から影響を受けているのだぞ、と言われたら、そうなのか
と思ってしまいます。」
*背中に目がなし。そういう人生はとても恐ろしいと思わんかね?
未来の到達点が見えてこない、時間ばかりが過ぎ去っていく、そういう
先行き不安なる日々の繰返し状況の中で、予期せぬ何かが突発的にいつ
君の人生に起るかもしれん。そういう気持ちの中で実際生きているので
はないかね?
A「何か時間ばかり過ぎているとは思います。」
*楽しいかね?
先ほど私が質問した喜びについて、君が手に入れている喜びの力という
ものは、その程度という事だね。これを自己把握という。
君は君自身をしっかりと把握せねば、君自身の人生を君は素直に喜び受
け入れることができないということを知ることだ。
《覚醒とは自己把握である。》言っていることわかるかね?
A「はい。」
*それは、君にとって甘いものかね? 辛いものかね?
それは君にとっ て苦しいものかね? それとも楽しいものかね?
それは君にとって人生を明るくするものかね?
それとも暗くするものかね? それは君にとってむなしくなるものかね?
それとも勇気が出てくるものかね?
《覚醒とは自己把握》であり、それは創造なる宇宙のドラマであった? ・・・わかるかね、ぼんくらさん。
君は転生輪廻についてどう考えている?
A 「あるとは思いますが、よく考えたことはありません。」
*物質は振動数またはその密度、まあ物理でもその部分は解明しとるね。
君は振動数そのものであるといえるね。
君の目の前の紫外線は見えるか・・・もちろん見えないね。
しかし紫外線が目の前にあることはわかるね。当たり前だねそんなこと
は・・・と云うことは、今君の目の前に、無限の振動数が、その領域が
存在しているということを、仮設として立てたところで不思議はないね。
もちろんこれは基礎物理の話であって、今の地球の科学水準をもってあ
る程度までは証明できるんじゃないのかね?
A「できると思います。」
*中学校の教科書にこの程度のことは書いとるよ。ということは、転生輪
廻とはまた別の表現でいえば、DNAの振動数ともいえる。
ではDNAとは何か。それは創造なる記憶である。
宇宙とは無限の振動数における配列といってもよいな。ロマンだよ、君。
無意識の中にまだ開かれていないDNAが一杯ある。それはわかるね。
では、君の感情、観念、想念とは、一体誰の感情、観念、想念なんだね?
どうかね?
A「わかりません。」
* DNAだよそれは。
創造なる愛、それは一体なんだね?
君は知りたくないのか?
A「知りたいです」
* そのように私の質問に答えている一瞬が創造なる愛じゃ。わかるか?
お前の愛は一体どこにあるのかね。
今、愛をこの瞬間感じとれなくて、いつ愛を感じとろうというんだね。
いつか必ずそういう日が来るんだと、未来に対して何のあてのない希望
を持っているのかね。
君は本気でそんなことを信じて毎日生きているのかね。
未来のために今をないがしろにしているのかね。
頑張ればなんとかなると思っているのかね。
君にとっての愛とはそういうものかね。わずらわしいことは早く忘れ
たい。所詮その程度じゃろう。違うかね?
所詮流れて生きていくこと、表現を変えれば、他者からみれば、流され
て生きていくということ・・・水の表面に顔だけ出し、足は底につかず、
目的も到達点もなく、流れるまんまに流れていく、又流されるまんまに
流されていく。
結局、そういうことが恐いんじゃろ。違うかね?
だからこそ君は、何かを自分に縛り付けておきたいんじゃないかね?
言葉でどのように体裁を整えても、化けの皮はすぐはがれるよ。
又、言葉で人を縛り付けるようなことを言ったとしても、実際人を縛り
付けとらん人もおるわけじゃね。
言菜を語った分だけ悩む人がおれば、言葉を語った分だけ自分はできる
と錯覚しているバカも居るの~。
自分はまだまだと云っとる連中が大体そんなもんじゃな。
だからこそ、言葉は美しく、そして恐いもんじゃ。が、しかしどっちにし
ても、今この一瞬愛を感じとるかね?
A「いや一、わかりません。」
* そのように反応しているのは誰だ?
A「私の持っている思考パターンです。」
*その思考を持っている私はどこの誰かね?
夜店で買ってきたのか?
A 「これまで自分と錯覚していた存在だと思います。」
*そのような言葉を語っているのは誰かね?
A 「宇宙です。」
*どこの図鑑に書いとった?
ところでその宇宙は甘いか辛いか。
君にとっての宇宙とはどういうものなのかご意見を伺いたい。
A 「・・・・・」
* 君が宇宙という言葉を口にした瞬間、君は間違いなく(それがどういう
代物であったとしてもだ)君は君自身にとっての宇宙を知っているとい
うことになる。わかるかね。大切なことだ。
人問がどういう言葉を口にしたところで、語ったことはそれはその人に
とっての宇宙なのである。
だからこそ、それでよろしい。が、それではダメだ。
何を言いたいのかわかるか?
A 「・・・・・」
*宇宙の喜びとは、瞬間を鮮明に自己把握すると言うことである。
一瞬一瞬が、大いなるすべての愛であり、喜びである。それを君に伝え
たくて君に語っている訳だが、私の目から見ると、今語っているこの時
間のすべてが君の魂にとっては無条件の喜びとして、喜びそのものと一
つになって生きているのがよくわかるわけだが、当の本人にとっては、
それが全く判らんわけだ。違うかね?
A「はいそうです。」
* そのように意気消沈して答えている君も、また愛の全てであるわけだ。
色即是空、空即是色。
意識は形を創造し、形は意識、即ち無に還る・・・つまリ消えてなくな
ったということである。それは瞬間に形を創造する。
この一瞬一瞬の宇宙のドラマ、耳で聞こうとせず、目で見ようとせず、
ただそのようになっていたんだということを知っておればいいわけだ。
わかるかね? 物事につながりはない。あると思えばある。
確かに意識が物質を創造すれば、それは現実にあるわけだから、今私が
君の肉体は消えてるよと言ったところで、君には信じがたい話になるわ
けだね。どうかね?
A 「確かに信じがたいj
*では聞くが、種の中に花はあるのかね?
何が最初だ、何が最初にあった?
A「意識です。」
* では、その意識を私の目の前に見せてくれといえば、君はどうする?
A「紫外線の話をします。」
* 私がそのように君から質問を受けたならば、このように答えるだろう。
もう見せている。別に紫外線の話など持出しはせん。君は大きな勘違い
をしとる。
見えないと云う事は、あるから見えないと云うことになるね。
見えないと云うことは無いものでなく、存在そのものの中に存在するす
ベて、即ちそうなんだよ・・・君は分離感が好きみたいだね。
一つ良いヒントをあげよう。
目に見える世界から、目に見えざる世界の探求は絶対できないという真
理だ。それがヒントだね。見える世界から見えざる宇宙を掴もうとし、
それと一つになろうと粉骨砕身努力をしてるのが今の君だ。
これをアホという。地球は平面だといっているのとそう変らないのう。
私の質問に対しての君の答えは、総て平面的であったね? 違うかね?
A 「そうです。」
*ガリレオの時代の人々の知性と変わりがないどころか、それ以下ではない
かね? 君たちの言っておる知性とは。・・・いや待てよ、霊性がどう
だかと云っとるのう。自分自身の知性レベルがその程度だという自己把
握もできずに、時間ばかりを食いよった霊性グルメがおったね。まあ昔
の話だが・・・言っていることはわかるかね。
知性とは色である。霊性とは空である。
それ自身が本来一つであることを理解することが、人生の喜びに他なら
ない訳である。が、しかしこんなことを言ったところでなんにもならん
ことを知っているわけだが・・・探求者というのは、そうなかなかいる
ものではないよ。精神世界の探求者は腐るほどいるが、「探求者」・・・
はそう滅多にはおらんよ。
どうかね? そういう人に会ったことがあるかね?
真理を見つめる純粋な探求者に君が出会えたならば、君は幸福であろう。
しかしそれは同時に、君にとっての不幸でもある。何故ならば、そのよ
うな探求者は掴みどころがないからね。
A「不幸というのがわかりません」
* 幸福は同時に不幸を作る、二極性の原理を述べただけだ。誰に出会えた
から良かったというものではない。もともと全てよかったんじゃよ。
それに気づかなかった自分がただいただけだった。そういうもんじゃな
いかね。
君が人生を幸福に喜びを持って生きようなどと企んでいるうちは、まだ
まだ精神世界の探求者であり、かごの中の住人じゃ。
ただ神秘の探求家でありなさい。それでは最後の話題に移ろうとしよう。
反応とは?・・・心の中に肉体を通して無数の反応が起きているね。
そうだろ。
A「はい。」
*嬉しくて涙が出てこんかね。
A 「たまに嬉しくなることがあります。」
*反応の反とは、二極性という意味じや。応とは、それを現象化している
状態という意味じゃ。それは本来美しいものなのだが、善悪教の教祖様
に寄付ばっかりしておる君がいる間は、なかなかわからんもんなんだよ。
宗教云々よりも君自身が善悪教の教祖であり、信者なんだね。そしてそ
この教団の神の名前はクリエと書かれているはずじゃ。
長年こういう精神世界を旅し続けると、いつの間にか、あるがままだとか、
チャクラの開く音が聞こえただとか、所詮そのフィールドの中における
ことしか見えんようになるもんだ。つまり、真理の部分部分はみえても、
真理それ自体は見えておらん。何故ならば、そういう認識、また言葉の
一つ一つが反応であり、寄せては返す波の如く、繰り返されていくもの
なんじゃね。反応とは、転生輪廻におけるDNAのドラマなんじゃよ。
モヤモヤしている状態、それ自体が無限の時を経て、過去、現在、未来
が無限の時の中で集中して起されているドラマ、それが反応なんじゃよ。
たまたま生きている男である君、女である君、何歳である君、何々さん
という名前である君、その範囲の中で反応が起っているのではないんだ
よ。どのように考えたところで、宇宙から分離して反応が起るわけが、
本当にあるのかね? 君どう思う?
A「そんなことはないと思います。」
*君だけが別の空気を吸っている訳じゃないしね、当たり前だね。
ところがだよ、反応を冷静に見詰められるようになったとか、反応に振
リ回されなくなったとか、確かに段階としてそれは貴重なプロセスでは
ある。しかし裏返せば、感情に振り回されなくなったということは、そ
れ迄その人間は動物的であったということだね。そして、そのことをど
こまで把握しておるのだろう。
感情に振り回されなくなった・・・それが一体何だというのかね。
そういうのを見せ掛けの学びと言うんじゃ。ただ単に動物的な自分を屈
服せしめた、嘘の世界じゃね。
正確には、振り回されている自分も振り回されなくなった自分もトータ
ルとして、受け入れることが理に叶った道であると云えよう。
まあ、そこのところはあまり詳しく述べんほうが良いだろう。
反応とは、永遠のドラマであり、二度と取り戻すことのできない一瞬の
創造的経験である。これを超越された状態における反応という。
そこには自分はない。当たり前だろう。
君たちは反応から逃げる道ばかリを考えておる。所詮そんなもんじゃろ。
特に精神世界の探求者は一番そのパターンがお好きなようじゃ。
まあ、好きにやってくれ。自分自身が創造してきた、無限の時間から逃
げられるはずがないじゃろう。そう思わんかね君。
無限の時間を生きているその霊、それが何か突然肉体という宇宙船を作
り、無限の中において起った無数の経験、その反応を、形を通して見た
がっているその姿、神秘だと思わんかね。
コロンブスの卵じゃよ、君。
転生輪廻を信じるということは、無数の反応が肉体を通して起っている、
その状態に対して、一切の善悪を付けず、判断せず、ただ感ずるまんま
に感じていく状態。まっ、そういうことかね。
波のしぶきのその中に直接見ている・・・愛を・・・そういう探求者であり
なさい。なにがしかの世界を求めている間は、何も生れてはこない。
人に言っているほど善悪はとれておらん。
自分で実感しとる程、善悪はとれておらん。
他者についてのなにがしかの反応が口から出とる間はまだまだだ。
何故ならば、人の語ることは同時にその人自身の心の姿でもあるからじ
ゃ。その反応を愛と感じとれるかね?
神秘とはとてつもなく深く、明快で、単純である。
探してる間は見つからないよ。
探していることも気づかないのは一番たちが悪いがね。
無限についてよく考えることだ。しかしそれをすると、同時に独りよが
りの世界を作ることにもなるね。ここが難しいなあ~。
よく自分自身を知る・・・この普遍的テーマ、それを心底堪能して頂たい。
一瞬一瞬、それが何であれ、それは途方もない愛である。
それが実感できない原因は、未来の到達点ばかりを夢見て、自分で自分
の首を絞めている。そのことに気づかない。ただそれだけである。
当たり前のことである。
そのような指導者のなんと多いことだろうか・・・嘆かわしいことだ。
理想郷もシャンバラもそういうものはどこにもない。
探さなくてもあるんだ、全てここに!・・・とにかくあるんだよ。
自己把握もできないようでは人に語る資格はない。
宇宙とは、総てを瞬間に飲み込んで、そして破壊されうる創造なる力を
持っている。
それは愛。
まず、身近なことから片づけていきなさい。
グルは君たちの感ずる喜びに、決して共鳴はしないだろう。ただ、見守
っているだけである。
さて、そのグルは今どこに買い物に行っておられるのかね?